canashiroのブログ

はてダ挫折者の再挑戦。

とらドラ!10

とらドラ〈10!〉 (電撃文庫)
読了。
ご都合主義といわれようと、私はハッピーエンドが好きだ。
やろうと思えば、終盤以降もずっと大河と竜児の関係をあいまいなままひっぱることもできたとはおもうが、敢えてドラマティックに物語を動かしたことで得るカタルシスはあったと思う。
欲を言えば、最終盤、もう少し大河のしなやかな強さが描かれているとよかったなぁ、と思う。大河が完全に恋する乙女モードで弱弱しくなりすぎてたんじゃないか、と。竜虎相立つ!というのがビシビシと伝わってくる場面があればもっと燃えたのになぁ、と思う。
大河だって弱い人間だ、というのも作中で繰り返し描写されてきただけにことさら最終巻で強調すべき事柄にも思えず、想いを吐露した瞬間から妙に大河が竜児に対して依存している関係に見えてしまった。確かに、シリーズ中盤で大河は色々と家族の問題や友人の問題なんかにしっかりと立ち向かっていった、という描写はあるのだけど、最後の最後で主人公たる竜児が意地をみせつけたのに対して大河のターンが無かったのはちょっと、ね。ご都合主義的に大河が復帰するまでの大河と母親の問題にもうすこしページを割けば、大河が竜児に依存している感じがぬぐえてもうすこし竜虎相立つ!になれたきがするんだけど。
色々と不満はあるけど、竹宮ゆゆこ、大好きなので次回作にも期待ということでひとつ。