canashiroのブログ

はてダ挫折者の再挑戦。

ハチミツとクローバー

みてきた。公開初日にレイトショーなんて人生初かもしれない。
筋書きはまぁ、仕方ない。二時間でまとめあげるとしたらああするしかないよなって感じ。
納得いかないのはキャラクター造詣。修ちゃんと山田さんはまぁ納得できるけど、竹本・真山がイマイチ。森田論外。はぐは抽象画を書いてるってところ意外はほぼ納得できた。
菅野よう子の音楽というか劇中歌もイマイチかなぁ。ちょっとハチクロにあってないと感じてしまった。
以下具体的かつネタバレ感想
まず、真山はスガシカオっていうよりもドランクドラゴン鈴木、あるいはおぎやはぎのおぎ。横顔は山寺宏一って感じ。あとガチのストーカーすぎる。ぱっと見はとてもしっかりしてる、という設定がなかったことになってる。ガチでたよりねぇ、外見が。修ちゃんのはぐ偏愛と山田の鉄人は漫画ならではのギャグ要素としてばっさり削ってあるのは仕方ない判断だと思うんだけど、真山のストーカーってのもそれに並ぶ要素であってキャラクター性格づけのメインにするのは違うんじゃないかなぁ。基本的にはしっかりしてるようでどこか抜けてるってキャラクターだと思ってたんだけどなぁ。
竹本は原作での成長(地味に成長してると思う)を描くには時間がなさ過ぎるからか、最初からはぐへの気持ちを自覚し、古い建築物へなみなみならぬ興味をもっているってのが違和感がぬぐえない。なにもないから、自分の気持ちに気づきすらしないぐらいにまじめで素直すぎるのが竹本なのに。手先がほんのすこし器用だからという理由で"なんとなく"美大に来たハズの竹本なのに。
はぐが抽象画を書いているのがなんといっても納得できない感じ。俺の中ではぐは印象派後期印象派表現主義的な感じがするんですよね。だからこそ修ちゃんの「はぐの目で世界を見てみたい」って発言につながるんだろうし。はぐはまずインプットありきの絵を書く気がする。ただその一点だけが映画を通してとにかく違和感だった。
逆に、森田はまずアウトプットありきの天才な気がする。手先が異常に器用で思ったとおりのアウトプットをはけるだけで、表現そのものにそんなに熱心でない。芸術家タイプじゃないような気はする。立体物からCGまで興味が向いたものに(あるいは依頼されたものに)刹那的に幅広く手がけるのもその象徴だし、技術者である親父さんの素質をそのまま受け継いだような感じ。息をするように作品を仕上げるけど、表現しないと生きていけないようなタイプじゃないように思える。映画の森田はあくまで芸術家として振舞っていて、自分の作品が思うようにいかないからといって火をつけたり、まるで原作の森田とは違ってみえる。まぁ、解釈の違いかもしれないけど。
あと、ストーリーではまず竹本がはぐを好きになるシーンではぐが絵を描いてるのもちょっと気になるかなぁ。竹本ははぐがどんな作品をつくるとかと別の次元ではぐを好きになるってのが重要なんじゃないかと思うんだけど、どうでしょう。
みんなで海にでかけるシーンは唐突で驚いたけど、原作ファンに対するサービスでしょうか。修ちゃんいないけど。